車中泊マットを選ぶとき、「5cmで十分なのか、それとも10cmまで厚いほうがいいのか」と迷う方は多いのではないでしょうか。
結論からいうと、すでに寝床がほぼ平らで収納性を重視するなら5cm、シートの凹凸や底付き感を減らして寝心地を優先するなら10cmが選びやすいです。
ただし、単純に「厚いほど優秀」とは限りません。車内の段差、収納スペース、寝る姿勢、マットの構造などによって適した厚さは変わります。
この記事では、車中泊マットの5cmと10cmについて、寝心地や段差への強さ、収納性、断熱性などを比較しながら、失敗しにくい選び方を解説します。
車中泊マットは5cmと10cmのどっちがいい?先に結論
車中泊マットの5cmと10cmには、それぞれ向いている使い方があります。迷ったときは、まず次の比較表から自分が重視するポイントを確認してみましょう。
| 比較項目 | 5cm | 10cm |
|---|---|---|
| 寝心地 | 寝床が平らなら十分狙える | クッション性を確保しやすい |
| 底付き対策 | 体格や寝姿勢によって感じる場合がある | 底付き感を抑えやすい |
| シートの段差 | 小さな凹凸向き | 比較的大きな凹凸にも対応しやすい |
| 収納性 | コンパクトにしやすい | 収納時にかさばりやすい |
| 重量 | 軽い製品が多い傾向 | 重くなる傾向 |
| 車内の圧迫感 | 少ない | 天井が低い車では感じやすい |
| 向いている人 | 収納性や取り回しを重視する人 | 寝心地や段差対策を重視する人 |
普段使いの車に毎回積み下ろしするなら5cm、車中泊をする回数が多く睡眠環境を重視するなら10cmという考え方もできます。
ただし、10cmのマットを敷けばどんな段差でもなくなるわけではありません。大きなシートの隙間や傾斜がある場合は、マットを敷く前にクッションやボードなどで寝床をできるだけ平らにしておくことが重要です。
車中泊マットの5cmと10cmを6つの違いで比較
5cmと10cmでは厚さが2倍違いますが、実際に差が出るのは寝心地だけではありません。
ここでは車中泊で特に確認しておきたい6つのポイントから比較します。
違い①寝心地と底付き感
寝心地を優先すると、基本的には10cmのほうが有利です。肩や腰など体重が集中しやすい部分が沈んでも、マットの下にある硬い床を感じにくくなります。
特に横向きで寝る方は肩や腰に圧力が集中しやすいため、5cmでは底付き感が気になるケースがあります。
一方、仰向け中心で寝る方や、すでにベッドキットなどで平らな床面を作れている場合は、5cmでも快適に感じる可能性があります。
厚さだけで決めず、自分の体格や寝姿勢まで考えることがポイントです。
違い②シートの段差を感じにくいのは10cm
車中泊では、マットそのものの硬さ以上にシートの凹凸が睡眠を妨げることがあります。
フルフラットと呼ばれる車でも、背もたれと座面の境目に数cmの段差が残ったり、完全な水平にならなかったりする場合があります。
5cmのマットは小さな凹凸をやわらげる用途には使いやすいものの、段差が大きいとマットごと沈み込み、下の形状を感じる可能性があります。
10cmはクッションとなる層を確保しやすいため、シートの凹凸や硬さを体に伝えにくくできます。実際に10cm厚の車中泊対応マットを展開するメーカーでも、シート段差を抑えやすい点が特徴として挙げられています。
ただし、大きな隙間をマットだけで橋渡しする使い方は避け、土台側を整えてから敷くほうが安定します。
違い③収納しやすいのは5cm
5cmを選ぶ大きなメリットが収納性です。
インフレーターマットは空気を抜いて巻けますが、内部にウレタンフォームが入っている製品では、厚くなるほど収納時の直径や重量も大きくなる傾向があります。
同一シリーズの一例を見ると、FIELDOORの車中泊マットSサイズでは、5cm厚が収納時約直径20cm×67cm、重量約1.9kgなのに対し、10cm厚は約直径28cm×68cm、重量約2.7kgです。
製品によって差はあるものの、10cmを選ぶ場合は展開サイズだけでなく収納サイズまで確認することが重要です。
軽自動車やコンパクトカーでは、走行中にマットをどこへ置くかまで考えておくと失敗しにくくなります。
違い④設営と撤収は5cmのほうが扱いやすい傾向
自動膨張式のインフレーターマットなら、5cmも10cmもバルブを開いて膨らませるタイプが一般的です。
ただし、厚手になるほど内部に含む空気量やウレタン量が増えるため、収納時にしっかり空気を抜く作業が必要になります。
頻繁に場所を移動し、毎朝すぐ車内を通常状態へ戻したい場合は、5cmの取り回しやすさがメリットになります。
反対に、一度設営したら数日間敷いたままにするスタイルなら、10cmの収納性の弱点はそれほど気にならないでしょう。
違い⑤寒さ対策は厚さだけでは決められない
寒い時期の車中泊では、床面から伝わる冷えへの対策も重要です。
厚いマットほど空気やフォームの層を確保できる製品はありますが、5cmと10cmという数字だけで断熱性能を比較することはできません。
マットの断熱性能には、中材の種類や構造、空気層の作り方なども関係します。アウトドア用マットでは、熱の伝わりにくさを示す「R値」が表示されている製品もあり、同じ厚さでもR値が異なる場合があります。
冬の車中泊を想定している場合は、厚さだけでなく、メーカーが断熱性能やR値を公表しているかも確認すると選びやすくなります。
違い⑥車内の高さを確保しやすいのは5cm
見落としやすいのが、マットを敷いたあとの車内高です。
5cmから10cmへ変更すると寝る位置が5cm高くなるため、車によっては座ったときに頭が天井へ近づきます。
特に軽自動車や天井の低い車では、5cmの差でも圧迫感が変わることがあります。
ベッドキットの上へマットを敷く場合はさらに床面が高くなるため、購入前に「マットを敷いた状態で上半身を起こせるか」まで確認しておくと安心です。
車中泊マット5cmがおすすめなのはこんな人
5cmは、単純に10cmより性能が低い厚さというわけではありません。
寝床の状態や使い方によっては、むしろ5cmのほうが扱いやすくなります。
- 車内をほぼ平らな寝床にできる
- ベッドキットの上で使用する
- 荷物をできるだけコンパクトにしたい
- 車中泊以外ではマットを車から降ろしておきたい
- 設営と撤収を短時間で済ませたい
- 天井が低い車で車内高を確保したい
- 大きな段差より床の硬さを軽減することが目的
すでにベッドキットや板などで水平な寝床を作っているなら、10cmまでの厚さが必要ないケースもあります。
5cmは「段差をマットだけで解消する」というより、平らにした寝床へクッション性を追加する使い方と相性が良いと考えると分かりやすいでしょう。
車中泊マット10cmがおすすめなのはこんな人
10cmは、車内でもできるだけ自宅のマットレスに近い感覚で休みたい方に向いています。
- 車中泊する回数が多い
- 寝心地を優先したい
- シートの小さな段差や凹凸が気になる
- 横向きで寝ることが多い
- 腰や肩が硬い床に触れる感覚を避けたい
- ミニバンなど収納スペースに余裕がある
- マットを頻繁に車から降ろさない
10cm厚を採用した車中泊対応製品では、メーカー側も段差への対応やクッション性を特徴としている例があります。
その一方、厚くなるほど収納サイズや重量が増える製品もあるため、寝心地と収納性のどちらを優先するかを明確にして選ぶことが大切です。
5cmと10cmで迷ったら車内の段差を先に確認する
厚さを決める前に、実際に車を車中泊モードへ変形させてみましょう。
シートを倒した状態で手を滑らせると、写真だけでは分からなかった段差や隙間、傾斜に気づくことがあります。
ほぼ平らなら5cmも候補
ベッドキットや荷室床面など、寝床がほぼ水平で大きな凹凸がない場合は5cmでも候補になります。
この場合、必要なのは段差の吸収よりも床面の硬さをやわらげる役割だからです。
細かな凹凸が多いなら10cmが選びやすい
座席を倒しただけの状態で複数の凹凸が残るなら、10cmのほうが体へ形状を伝えにくくできます。
ただし、シート間に大きな隙間がある場合は、先にクッションや板などで埋めておくほうが安定します。
大きな傾斜はマットの厚さだけで解決しない
頭側と足側で高さが大きく違うような傾斜は、10cmマットでも完全には解消できません。
厚いマットは凹凸を感じにくくするのには役立ちますが、傾いている床面そのものを水平にするものではないためです。
傾斜が大きい車では、まずベッドキットや段差解消クッションなどで土台を調整し、その上でマットの厚さを選ぶと失敗しにくくなります。
車中泊マット選びで厚さ以外に確認したい5つのポイント
5cmか10cmかを決めても、それだけで快適なマットが選べるとは限りません。
購入候補を比較するときは、次の5項目も確認しておきましょう。
ポイント①車内に収まる幅と長さか
最初に確認したいのは展開時のサイズです。
車内寸法ギリギリのマットは、ドア部分や内装の張り出し、タイヤハウスなどに当たり、予定どおり敷けないことがあります。
カタログ上の荷室寸法だけで判断せず、実際に寝る位置の幅と長さを測っておきましょう。
ポイント②収納サイズと重量
車中泊中は快適でも、走行するときにはマットも荷物になります。
特に10cm厚は、収納してもある程度の大きさが残る製品があります。人数分を用意する場合は、1枚ではなく必要枚数を積んだ状態で考えることが重要です。
ポイント③空気量や硬さを調節できるか
インフレーターマットでは、最後に空気を追加したり少し抜いたりすることで硬さを調節できる製品があります。
柔らかすぎると腰が沈み、硬すぎると肩などへ圧力がかかることがあります。自分に合った硬さへ調整できるタイプなら寝姿勢に合わせやすくなります。
ポイント④収納や排気がしやすい構造か
車中泊では、膨らませやすさだけでなく片付けやすさも重要です。
自動膨張式でも、撤収時には中の空気を抜いて巻く必要があります。大型バルブや排気しやすい構造を採用した製品なら、厚手のマットでも扱いやすくなります。
ポイント⑤冬に使うなら断熱性能も見る
冬に使用する場合は、厚さだけでなく断熱性能を確認しましょう。
アウトドア向け製品の一部ではR値が表示されています。R値は熱の伝わりにくさを比較するための指標で、数値が高いほど熱を通しにくいことを示します。
「10cmだから冬でも暖かい」と厚さだけで判断するのではなく、中材や構造、断熱性能の情報まで合わせて確認することが大切です。
5cmと10cmの中間となる8cmも選択肢
5cmでは少し不安だけれど、10cmでは収納サイズが気になる場合は、8cm前後のマットも選択肢になります。
現在は車中泊向けとして5cm、8cm、10cmなど複数の厚さが展開されているため、必ずしも二択で決める必要はありません。
ただし、「8cmなら誰にでも最適」と決めつけることはできません。製品ごとにフォームの密度や構造、幅、重量、収納サイズが異なるためです。
厚さを最初の絞り込み条件にして、最後は製品ごとの仕様を比較する方法がおすすめです。
車中泊マットの5cmと10cmでよくある質問
車中泊マットは5cmだと薄すぎますか?
必ずしも薄すぎるわけではありません。ベッドキットなどで寝床が平らになっている場合や、小さな凹凸しかない場合は5cmでも候補になります。
一方、シートの段差が大きい車や横向きで寝る方では底付き感が気になる場合があります。
10cmならシートの段差は完全になくなりますか?
完全になくなるとは限りません。細かな凹凸を感じにくくする効果は期待できますが、大きな隙間や傾斜はマットの下に残ります。
段差が大きい場合は、先に土台を整えてから10cmマットを使用するほうが安定します。
冬の車中泊なら10cmのほうが暖かいですか?
同じ素材や構造なら厚さが断熱に有利に働く場合がありますが、厚さだけでは判断できません。
冬用として比較するなら、素材や内部構造に加えてR値などの断熱性能も確認しましょう。
軽自動車なら5cmと10cmのどちらが向いていますか?
車種と使い方によります。軽自動車は収納スペースや車内高が限られるため、5cmのコンパクトさが便利なケースがあります。
一方で、シートを倒したときの段差が大きければ10cmが使いやすい場合もあります。実際の車内寸法と段差を測って判断しましょう。
10cmは収納が大変ですか?
5cmより収納時に大きくなる傾向があります。ただし、バルブ構造やフォームの形状によって収納性は製品ごとに異なります。
厚さだけを見るのではなく、メーカーが掲載している収納寸法と重量を確認することが重要です。
5cmと10cmで迷ったらどちらを選べばいいですか?
寝床がほぼ平らで収納性を優先するなら5cm、シートの凹凸や底付き感を減らして寝心地を優先するなら10cmから検討すると選びやすいです。
それでも迷う場合は8cm前後も含め、収納サイズと車内寸法を比較してみましょう。
車中泊マット5cmと10cmは寝床の状態と収納性で選ぼう
車中泊マットの5cmと10cmには、それぞれメリットがあります。5cmはコンパクトさや取り回しやすさを重視する人、10cmはクッション性や段差対策を重視する人に向いています。
ただし、厚さだけですべての段差や寒さを解決できるわけではありません。大きな段差や傾斜がある場合は先に寝床を平らにし、冬に使う場合は素材やR値などの断熱性能も確認しましょう。
購入前には実際の車内を車中泊状態にして、寝床の幅と長さ、段差、天井までの高さ、収納スペースを測っておくと、自分の車に合う厚さを判断しやすくなります。

