軽自動車として人気の高い ホンダ N‑ONE を使って「ちょっと気軽な車中泊」を考えているなら、本記事は必読です。
コンパクトながらも荷室アレンジや後席倒しで就寝スペースを確保できるという意見もある一方で、「フルフラット化が難しい」「大人２人では狭い」といった声も少なくありません。
そこで今回は、N-ONE の室内寸法やシートアレンジの具体的手法、DIYベッドやマット活用例、快適に車中泊するための工夫と注意点、そして「どんな人に向いて／向かないか」までを整理。
車中泊初心者の方にも、既にトライ済みの方にも参考になるよう、実際の寸法データ・ユーザーの声・改造アイデアをもとに丁寧に解説します。
車中泊向けに知っておきたい ホンダ N-ONE の基本スペック
ホンダN-ONEは、軽自動車ながらもデザイン性と走行性能を兼ね備えた人気モデルです。
車中泊を前提に考えるときにまず知っておきたいのが、車内の寸法や荷室の形状です。
N-ONEの室内長は約2050mm、室内幅は約1300mm、室内高は約1195mmとなっており、コンパクトカーとしては十分な広さを確保しています。
ただし、後席を倒しても完全なフルフラットにはならず、段差や傾斜が残る点は注意が必要です。
これを補うために、多くのユーザーが専用マットやベッドキットを利用して段差を埋め、より快適な寝床環境を整えています。
また、モデルによっては後部座席の倒れ方や床面形状が異なり、車中泊のしやすさに差が出るため、自身の車両仕様を確認することが大切です。
N-ONE の室内サイズ・荷室寸法
N-ONEの室内は軽自動車の中でも高さがあり、頭上スペースが広い点が特徴です。
室内長2050mmという数値は、前席からリアゲートまでの距離を示しており、シートアレンジ次第では身長170cm前後の人が斜めに寝転ぶことが可能です。
荷室高は約800mm前後で、天井までの空間も広く、荷物を積み上げたり、マットを敷いても圧迫感が少ないのが魅力です。
ただし、後席背面の段差とラゲッジ床面との高低差が約5〜7cmほどあるため、マットレスやウレタン素材での段差埋めが推奨されます。
車高・フロア形状から見る車中泊の適性
N-ONEの車高は全高1545mmと、一般的な立体駐車場にも入る高さを維持しています。
そのため外出先での宿泊スポット選びに制限が少ないのは利点ですが、車中泊目線で見ると「車高が低め」であり、上下のゆとりは限られます。
一方で、フロアの形状はフラットに近く、段差が少ないため荷物を置いたり足を伸ばす動作はしやすい設計。特に運転席・助手席を前方にスライドさせれば、さらに広い就寝スペースを確保できます。
モデル世代・グレード別の差異と車中泊影響
N-ONEには初代（2012〜2020年）と現行型（2020年〜）の2世代があります。
初代モデルはフラット化がしやすい一方、現行型ではシート厚が増し快適性は向上したものの、倒した際の段差が若干増えています。
また、RSグレードなどスポーツタイプはサスペンションが硬めで、車内での寝心地に影響する場合もあります。
このように、同じN-ONEでも仕様によって車中泊の快適度が変わるため、購入前や改造前に確認することがポイントです。
実際に N-ONE で車中泊・就寝スペース確保する方法
N-ONEで車中泊を実現するためには、シートアレンジとマット設置が重要な要素です。
後席を倒し、助手席を前にスライドさせることで、荷室とシート背面を一体化し、約160〜170cm程度の就寝スペースを確保できます。
ただし、完全なフルフラットではないため、段差をウレタンボードやベッドマットで調整することが一般的です。
さらに、車中泊用マットを敷くだけで寝心地が大きく改善し、背中の違和感を軽減できます。
後席を倒して荷室とつなげるアレンジ方法
N-ONEの後席はワンタッチで背面を倒すことができ、荷室とフラットにつながる構造です。
就寝スペースを広げるには、助手席を前方にスライドさせ、背もたれを倒して頭側スペースを確保します。
多くのユーザーは、助手席の背面部分にクッションやマットをかませて高さを揃え、水平な寝床を作る工夫をしています。
純正アクセサリーでは「車中泊マット」などの設定はないため、市販の汎用マットやDIYでの対応が主流です。
斜め寝・横寝どちらが可能か検証
N-ONEの室内長を考慮すると、身長170cm前後の人は斜め寝が最も現実的です。
シートを倒した状態で斜めに寝ると、足元に余裕が生まれやすく、頭側スペースも確保しやすい構造になっています。
横寝の場合は車幅の約1300mmを活用できますが、二人で横並びに寝るにはやや窮屈。ソロ車中泊に最適なレイアウトといえます。
また、寝袋やエアマットを併用することで、より快適な睡眠環境が得られます。
ベッドキット／マットレスなど DIY・専用品活用例
N-ONEで車中泊を快適にするために人気なのが、DIYベッドキットの導入です。
木材（1×4材や合板）で簡易ベッドを組み立て、下部に収納スペースを作る方法がよく採用されています。
また、ネット通販ではN-ONE専用の車中泊マットや段差解消マットも販売されており、設置するだけで快適性が大幅にアップします。
こうした装備を取り入れれば、軽自動車でも驚くほど快適な車中泊環境を実現可能です。
車中泊を快適にするためのポイントと注意点
N-ONEで車中泊を快適に過ごすには、空間の工夫と安全管理が欠かせません。
軽自動車はスペースが限られているため、荷物配置や温度調整、プライバシー確保など細かな対策が必要です。
また、車内で長時間過ごす場合には、換気や結露、バッテリー管理にも注意を払いましょう。
ここでは、N-ONEの車中泊で特に押さえるべきポイントを具体的に紹介します。
車内の段差・隙間・フラット化の課題
N-ONEは後席を倒してもフルフラットにはならず、背面との間に段差が生じます。
そのため、段差を埋めるマットやウレタン素材を活用して、できるだけ水平な寝床を確保するのが基本です。
また、シートと荷室の隙間部分にクッションを詰めることで、腰や背中の痛みを軽減できます。
純正のカーゴマットよりも、厚手の車中泊専用マットやDIYボードを使うことで、断熱・快適性の両面で効果が高まります。
断熱・遮光・プライバシー確保の対策
車中泊では、外気温の変化や外からの視線が気になるものです。
N-ONEの場合、窓が大きいため断熱・遮光対策は必須です。
市販のサンシェードや銀マットをカットして窓枠に差し込むことで、外気を遮断しつつプライバシーも確保できます。
また、夏場は熱気がこもりやすいため、ポータブル扇風機や網戸タイプのウィンドウネットも有効です。冬場には毛布や寝袋、断熱材の追加で保温力を高めましょう。
温度・換気・安全面での注意（軽自動車ならでは）
軽自動車はエンジンを停止するとすぐに室温が変化しやすいため、温度管理が最重要です。
夏は熱中症、冬は低体温症や一酸化炭素中毒のリスクがあるため、エンジンをかけっぱなしにせず、外気を取り入れる工夫をしましょう。
また、バッテリーを長時間使用する際はポータブル電源を併用するのがおすすめです。
さらに、安全確保のためには駐車場所の選定も重要。傾斜地や交通量の多い場所は避け、静かで明るい場所を選ぶと安心です。
「N-ONE 車中泊」が向いている人／向いていない人
車中泊には向き・不向きがあり、N-ONEの特性を理解した上で判断することが大切です。
軽自動車ならではの利点と制約を踏まえ、自分の旅スタイルに合うかを見極めましょう。
この車で車中泊をおすすめできるケース
N-ONEでの車中泊が向いているのは、ソロまたは短期旅行を中心に楽しみたい人です。
小回りが利くため観光地や狭い駐車場でも扱いやすく、軽快な走りと低燃費で長距離ドライブにも適しています。
また、外装デザインやカラーのバリエーションが豊富で、キャンプギアとの相性も良い点も魅力。
「一人旅＋ミニマル車中泊」を楽しみたい人には最適な一台です。
逆に車中泊には不向きな使い方・条件とは
一方で、N-ONEはファミリーでの宿泊や長期滞在には不向きです。
寝るスペースが限られているため、大人2人が横になって休むには窮屈さを感じるでしょう。
また、荷物を多く積みたいキャンプ用途や、冬の寒冷地での宿泊には断熱面の工夫が欠かせません。
さらに、電源設備や冷暖房機能を強化するには追加の装備投資が必要です。
他の軽自動車／車中泊向け車種と比較した立ち位置
車中泊向け軽自動車としては、ホンダN-VANやスズキエブリイ、ダイハツアトレーなどの箱型モデルが定番です。
それらに比べると、N-ONEは居住性では劣りますが、デザイン性や走行性能で優れています。
都市部で普段使いも重視したい人には最適で、「普段乗り＋軽い車中泊」というバランス重視派に支持されています。
つまり、N-ONEは“万能キャンピングカー”ではなく、“日常の延長で楽しむ車中泊車”という立ち位置がしっくりくるモデルです。
まとめ
軽自動車の中でもデザイン性・実用性で人気のN-ONEですが、車中泊目的で使うなら「荷室拡張」「寝床確保」「快適装備の導入」がカギとなります。
まず、室内長2,050mm・室内高1,195mmという寸法から、後席を倒して荷室と連結すれば横幅・長さをある程度確保可能ですが、完ぺきなフルフラットにはならず段差・隙間が残る点に注意。
次に、DIYでベッドキットや専用マットを用意することで快適度は大きく上がります。実際に「1×4材でベッド作った」というユーザー報告もあります。
ただし、軽自動車らしく「大人２人」「長時間滞在」「冬季・悪天候」での車中泊は厳しい場面も。断熱・遮光・換気・安全面もきちんと配慮する必要があります。
つまり、N-ONE での車中泊は「ソロ／コンパクトに」「荷物控えめで」「工夫しながら使う」には十分可能ですが、条件をクリアしないと快適とは言えない選択です。
このガイドをもとに、自分の使い方・車種・装備を照らし合わせて「N-ONE での車中泊、アリかナシか」をぜひ検討してみてください。
