車中泊でスマホを充電するためにポータブル電源を用意すると、「結局、何回くらい充電できるの?」と気になる方は多いでしょう。
結論からいうと、電力ロスを20%と仮定した場合、500Whのポータブル電源ならスマホを約22〜30回、1000Whなら約44〜61回充電できるのが計算上の目安です。
ただし、スマホのバッテリー容量、ポータブル電源の変換効率、USB・ACのどちらから給電するかなどで実際の回数は変わります。この記事では、車中泊で必要な容量を判断しやすいように、容量別の早見表と計算方法をわかりやすく解説します。
車中泊でスマホはポータブル電源から何回充電できる?
ポータブル電源からスマホを充電できる回数は、ポータブル電源の容量を示す「Wh」と、スマホのバッテリーが1回の満充電に必要とする電力量からおおよその目安を出せます。
ポータブル電源は表示されている容量を100%そのまま機器へ送れるわけではありません。電圧変換や本体内部で電力ロスが発生するため、ここでは公称容量の80%を実際に使える電力量として計算します。
容量別のスマホ充電回数早見表
スマホのバッテリーを13Wh、15Wh、18Whの3パターンとして計算すると、目安は次のとおりです。
| ポータブル電源容量 | 13Whのスマホ | 15Whのスマホ | 18Whのスマホ |
|---|---|---|---|
| 200Wh | 約12回 | 約10回 | 約8回 |
| 300Wh | 約18回 | 約16回 | 約13回 |
| 500Wh | 約30回 | 約26回 | 約22回 |
| 700Wh | 約43回 | 約37回 | 約31回 |
| 1000Wh | 約61回 | 約53回 | 約44回 |
たとえば500Whのポータブル電源なら、15Whのスマホを約26回満充電できる計算です。1人で1〜2泊する車中泊でスマホ充電だけに使用するのであれば、かなり余裕があります。
一方、車載冷蔵庫や電気毛布、ノートパソコンなども同じポータブル電源から使用する場合、スマホに使える電力量はその分少なくなります。
ポータブル電源からスマホを何回充電できるかの計算方法
自分が持っているポータブル電源や購入を検討している容量から、スマホの充電回数を計算することもできます。
目安として使いやすい計算式は次のとおりです。
スマホ充電回数の目安=ポータブル電源容量(Wh)×0.8÷スマホ1回分の電力量(Wh)
500Whのポータブル電源で計算する場合
15Whのバッテリーを搭載したスマホを、500Whのポータブル電源から充電すると仮定します。
500Wh×0.8=400Wh
400Wh÷15Wh=約26.6回
したがって、500Whなら15Whのスマホを約26回満充電できる計算になります。
1000Whのポータブル電源で計算する場合
同じ15Whのスマホを1000Whのポータブル電源で充電する場合は、次のようになります。
1000Wh×0.8=800Wh
800Wh÷15Wh=約53.3回
計算上は約53回です。スマホだけに使用するなら、1000Whクラスは数日の車中泊でも非常に大きな余裕があります。
メーカー公表値でもスマホは数十回充電できる
実際のポータブル電源メーカーが公表している充電回数を見ても、数百Wh以上のモデルではスマホを数十回充電できる製品があります。
Ankerでは、768Whのポータブル電源について13Whのスマートフォンを約48回、1056Whでは約65回充電できる目安が示されています。
768Wh×0.8÷13Whで計算すると約47回になるため、80%で計算する方法は大まかな充電回数を把握する際の参考になります。
一方、Jackeryでは1070Whモデルでスマホ約45回、512Whモデルで約24回、256Whモデルで約11回という目安も示されています。
同程度のWhでもメーカーや試験に使用するスマホ、給電条件などによって充電回数は変わるため、早見表の数字は絶対値ではなく目安として考えるのが適切です。
スマホのバッテリー容量によって充電回数は変わる
ポータブル電源の容量が同じでも、スマホ側のバッテリー容量が大きければ充電できる回数は少なくなります。
たとえば実際に利用できる電力量が400Whある場合、13Whのスマホなら約30回ですが、18Whなら約22回です。
| スマホ1回分の電力量 | 500Whの場合 | 1000Whの場合 |
|---|---|---|
| 13Wh | 約30回 | 約61回 |
| 15Wh | 約26回 | 約53回 |
| 18Wh | 約22回 | 約44回 |
正確に計算したい場合は、自分のスマホの仕様に記載されているバッテリー容量を確認しましょう。
Whが記載されておらずmAhと公称電圧が分かる場合は、「mAh×電圧÷1000」でWhへ換算できます。ただし、機種によって電池仕様が異なるため、不明な場合はスマホメーカーが示す仕様を基準にするのが確実です。
車中泊1泊ならスマホ充電に何Wh必要?
スマホだけを考えると、車中泊で必要な電力量はそれほど大きくありません。
ここでは余裕を持たせて、1人が1日に2回、15Whのスマホを満充電する想定で計算します。
| 利用人数・日数 | 満充電回数 | スマホが使う電力量 | 必要容量の計算値 |
|---|---|---|---|
| 1人・1泊 | 2回 | 30Wh | 約38Wh |
| 2人・1泊 | 4回 | 60Wh | 約75Wh |
| 2人・2泊 | 8回 | 120Wh | 約150Wh |
| 4人・2泊 | 16回 | 240Wh | 約300Wh |
この表からも、スマホ充電だけなら100〜300Wh程度でも車中泊では十分なケースが多いことが分かります。
ただし、ポータブル電源をスマホ専用にするケースは少なく、実際には照明や扇風機、パソコンなどと併用することが多いため、他に使いたい機器を含めて容量を決めることが重要です。
スマホ以外も使うなら必要容量は大きく変わる
車中泊のポータブル電源選びでは、スマホ充電よりも消費電力の大きな家電が容量を左右します。
たとえば15Whのスマホ1回分に対し、55Wの電気毛布を8時間使うと440Whを消費する計算です。
- スマホ1回の満充電:約15Wh
- スマホ2台を2回ずつ充電:約60Wh
- 55Wの電気毛布を8時間使用:約440Wh
500Whのポータブル電源を80%利用できると仮定すると実際に使える電力量は約400Whです。そのため、電気毛布を一晩使いながらスマホも充電するのであれば、500Whでは余裕が少なくなります。
スマホだけなら小容量でも足りますが、電気毛布や冷蔵庫まで使うなら500〜1000Wh以上を検討する理由が出てくるという考え方です。
車中泊用ポータブル電源の容量を決める3つのポイント
「スマホを何回充電できるか」だけで容量を決めると、実際の車中泊で電力が不足する場合があります。次の3点をまとめて考えると選びやすくなります。
使うスマホの台数と宿泊日数を確認する
まずは、何人分のスマホを何日充電するのかを考えます。
1人で1泊する場合と、家族4人で2〜3泊する場合では必要な電力量が大きく変わります。タブレットやスマートウォッチも充電するなら、それらの消費分も加えておきましょう。
必要回数ギリギリではなく、予定より多くスマホを使うことを考えて余裕を持たせると安心です。
スマホ以外に使う家電を合計する
LEDライト、ノートパソコン、小型扇風機、車載冷蔵庫、電気毛布などを使用する場合、それぞれの消費電力量を加算します。
特に暖房器具や調理家電はスマホとは比較にならないほど多くの電力を使います。
ポータブル電源の容量を大きく左右するのはスマホではなく、こうした家電であることが少なくありません。
途中でポータブル電源を充電できるか確認する
連泊する車中泊では、最初に蓄えた電力だけで旅行全体を乗り切る必要があるとは限りません。
対応製品であれば、走行中に車の電源から充電したり、環境に応じてソーラーパネルなどから補充したりできます。
途中で補充できれば、同じ500Whでも実際に使える総電力量を増やせるため、長期の車中泊ほど充電方法も重要になります。
スマホ充電回数が計算より少なくなる5つの理由
実際に使ってみると、計算した回数までスマホを充電できない場合があります。主な理由は次の5つです。
- ポータブル電源内部で電力変換ロスが発生する
- スマホの充電中にも発熱などによる損失がある
- AC出力などをオンにしている間に本体側で電力を消費する場合がある
- 他のUSB機器や家電へ同時に給電している
- 低温・高温など使用環境によってバッテリー性能が変化する
そのため、「500Wh÷15Wh=33回」のように公称容量をそのまま割って計算すると、実際より多い数字になりやすくなります。
最初から20%程度のロスを見込んで計算しておくと、車中泊での容量計画を立てやすくなります。
「1回」と数える基準にも注意する
充電回数を比較するときは、「スマホを0%から100%まで充電した場合の満充電相当回数」と考えると分かりやすくなります。
実際の車中泊では、毎回0%まで使い切ってから充電するとは限りません。
たとえば残量50%から100%まで充電した場合は、満充電1回分の約半分しか電力を使いません。そのため、実際にケーブルをつなぐ回数は早見表より多くなることがあります。
反対に、充電しながら動画視聴やナビ、テザリングなどを使用すると、その間にもスマホが電力を消費するため、ポータブル電源から必要になる電力量は増えます。
車中泊でスマホを充電するときの注意点
ポータブル電源は車中泊と相性のよい電源ですが、リチウムイオン電池を搭載した製品では温度管理が重要です。
真夏の車内へ放置しない
特に注意したいのが、炎天下で高温になる車内です。
製品評価技術基盤機構(NITE)は、リチウムイオンバッテリーを使用した製品を真夏の車内など高温になりやすい場所へ放置しないよう注意喚起しています。
ポータブル電源メーカーも、炎天下の車内やトランク、直射日光が当たる場所での使用・保管を避けるよう案内しています。
車中泊で使う場合でも、ダッシュボード付近や直射日光の当たる場所を避け、製品ごとの使用温度・保管温度を守ることが重要です。
異常な発熱や変形があれば使用を中止する
以前より明らかに熱くなる、外装が膨らむ、充電できない、突然給電が停止するといった異常がある場合は、そのまま使い続けないようにしましょう。
安全に使用するためにも、使用前に本体やケーブルに異常がないか確認することが大切です。
車中泊のスマホ充電とポータブル電源でよくある質問
500Whのポータブル電源ならスマホは何回充電できますか?
電力ロスを20%として計算すると、13Whのスマホなら約30回、15Whなら約26回、18Whなら約22回が目安です。実際の回数はスマホやポータブル電源の仕様、使用環境によって変わります。
1000Whならスマホは何回充電できますか?
80%を利用できると仮定した場合、13Whなら約61回、15Whなら約53回、18Whなら約44回です。スマホ充電だけを目的とする場合はかなり余裕のある容量です。
300Whでも車中泊に使えますか?
スマホ、タブレット、小型ライトなど消費電力の小さい機器が中心なら利用しやすい容量です。15Whのスマホなら計算上約16回充電できます。ただし、電気毛布や車載冷蔵庫などを長時間使用する場合は容量不足になる可能性があります。
スマホだけならポータブル電源は何Wh必要ですか?
1〜2人で1泊し、スマホ充電が中心であれば100〜200Wh程度でも余裕を持てるケースがあります。家族利用や連泊では200〜300Wh以上にすると充電回数を確保しやすくなります。
ポータブル電源の容量をそのままスマホのWhで割ってもいいですか?
公称容量をそのまま割ると、実際より充電回数が多く出やすくなります。電力変換ロスを考慮し、「ポータブル電源容量×0.8÷スマホのWh」のように計算すると実用的な目安になります。
車中泊では1000Whのポータブル電源が必要ですか?
スマホ充電だけなら1000Whは必須ではありません。電気毛布、冷蔵庫、炊飯器など消費電力の大きな機器を使用する場合に、500〜1000Wh以上の容量が必要になるケースが増えます。
車中泊のスマホ充電回数はWhから計算できる
車中泊でポータブル電源からスマホを何回充電できるかは、「ポータブル電源容量×0.8÷スマホの電力量」を目安にすると簡単に計算できます。
15Whのスマホを例にすると、300Whで約16回、500Whで約26回、700Whで約37回、1000Whで約53回が計算上の目安です。スマホだけなら比較的小容量でも十分ですが、車中泊では他の家電に使う電力も考えておく必要があります。
特に電気毛布や車載冷蔵庫などを使う場合は、スマホ充電よりそちらの消費電力量が容量選びを左右します。また、真夏の車内など高温になる場所への放置は避け、使用するポータブル電源の取扱説明書に記載された温度条件を守って安全に利用しましょう。

