車中泊を始めてみると、意外と困りやすいのがマットの収納です。寝るときは快適でも、朝になって片付けると「思ったより大きい」「ほかの荷物が積めない」と感じることがあります。
結論からいうと、車中泊マットは種類によって収納時のかさばり方が大きく変わります。特に厚手のウレタン系やインフレーターマットは寝心地を確保しやすい一方、空気だけで膨らませるエアマットほど小さく収納できない傾向があります。
ただし、マットを買い替えなくても、空気の抜き方や積載場所、荷物のまとめ方を変えるだけで改善できるケースもあります。ここでは、車中泊マットが収納時にかさばる理由から、コンパクトにする方法、次に選ぶときのポイントまで順番に解説します。
車中泊マットは収納すると本当にかさばる?
車中泊マットがどの程度かさばるかは、使用時の厚さだけでは判断できません。内部に使われている素材や構造によって、空気を抜いたあとの大きさが大きく異なるためです。
特に注意したいのが、寝心地を重視した厚手タイプです。厚みがあるほど快適とは限りませんが、内部にフォームが多く使われているタイプでは収納サイズも大きくなりやすくなります。
インフレーターマットは寝心地と収納性のバランス型
インフレーターマットは、内部にウレタンなどのフォームが入っており、バルブを開くことで空気を取り込んで膨らむタイプです。
空気だけで支えるマットと比べてクッション性を確保しやすく、車内の小さな凹凸を感じにくくできるのがメリットです。
一方で、内部のフォーム自体はなくならないため、空気を完全に抜いても一定の大きさが残ります。「空気を抜けば非常に小さくなる」と考えて購入すると、収納サイズの大きさに驚きやすいタイプです。
エアマットは収納性を優先しやすい
エアマットは、内部の大部分を空気で膨らませる構造です。空気を抜けば薄くできるため、車内の積載スペースをできるだけ使いたくない人に向いています。
ただし、使用するときには空気を入れる作業が必要です。また、尖った物との接触などによる破損にも注意する必要があります。
収納性だけで選ぶのではなく、準備や撤収にかかる手間とのバランスまで考えることが重要です。
折りたたみ式やウレタンマットは体積が減りにくい
折りたたみ式のフォームマットやウレタンマットは、空気を抜く構造ではないため、たたんでも素材そのものの体積が残ります。
そのかわり、広げるだけですぐに使えるタイプが多く、空気漏れを気にする必要がないのがメリットです。
収納性よりも設営と撤収の簡単さを重視する人には使いやすい一方、軽自動車や荷物の多い車中泊では収納場所を事前に考えておいたほうがよいでしょう。
車中泊マット3タイプを収納しやすさで比較
「車中泊マットがかさばるのを避けたい」という場合は、寝心地だけでなく収納時の特徴も比較して選ぶ必要があります。
| 種類 | 収納性 | 準備の手軽さ | 寝心地 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| インフレーターマット | ○ | ○ | ◎ | 寝心地と収納性のバランスを取りやすい |
| エアマット | ◎ | △~○ | ○ | 空気を抜けば比較的小さくしやすい |
| フォーム・折りたたみ式 | △ | ◎ | △~○ | すぐ使えるが体積を減らしにくい |
収納スペースを最優先するならエアマットが候補になりますが、毎回の空気入れが負担になることもあります。
反対に、設営の速さだけを重視して折りたたみ式を選ぶと、走行中の置き場所に困る場合があります。車中泊では、「寝ている時間」だけでなく「走っている時間にどこへ置くか」まで考えて選ぶことがポイントです。
車中泊マットがかさばるときに試したい7つの収納対策
すでに車中泊マットを持っている場合、すぐに買い替える必要はありません。収納方法を見直すだけで、今より積みやすくなる可能性があります。
対策①:空気を一度に抜こうとしない
インフレーターマットを収納するときは、最初からきれいに巻こうとすると内部に空気が残りやすくなります。
まず大まかに折りながら内部の空気を外へ逃がし、そのあと広げ直して巻くと、余分な空気を減らしやすくなります。
収納袋に入らない原因がマットの大きさではなく、内部に残った空気というケースもあります。
対策②:バルブ側へ向かって巻く
空気を抜くタイプでは、空気の出口と反対側から巻いていくことが基本です。
出口側から巻いてしまうと、内部の空気を閉じ込めてしまうことがあります。ゆっくり体重をかけながら、空気をバルブ側へ押し出すように巻いていきましょう。
力だけで無理に圧縮するのではなく、空気の逃げ道を作ることが重要です。
対策③:ダブル1枚よりシングル2枚も検討する
2人で車中泊する場合、大きなダブルサイズ1枚を使う方法だけが選択肢ではありません。
シングルサイズを2枚に分けると、1本ずつの収納物が細くなり、車内の空いた場所へ分散して積みやすくなることがあります。
収納で重要なのは総体積だけではなく「どの形になるか」です。長く太い収納物1本より、細い収納物2本のほうが積載しやすい車もあります。
対策④:収納袋にこだわりすぎない
付属の収納袋へ毎回ぎりぎりまで押し込もうとすると、撤収に時間がかかります。
走行中に十分な収納場所を確保できるなら、少し余裕のある袋を使って大まかにまとめる方法もあります。
ただし、無理に小さく折り曲げたり圧縮したりすると素材へ負担をかける場合があるため、マットの構造に合った扱い方をすることが大切です。
対策⑤:長いマットは縦の空間を使う
収納したマットは、荷室の床へ横置きするだけとは限りません。
細長い収納形状なら、荷室の端やシート背面など、縦方向の空間を利用できる場合があります。
寝具をすべて床面へ並べると、食料や衣類、調理用品などを置く場所がなくなります。床だけでなく車内の高さも含めて収納場所を考えると整理しやすくなります。
対策⑥:寝具をひとまとめにする
マット、寝袋、毛布、枕をそれぞれ別の場所へ収納すると、荷物が分散して車内が狭く見えやすくなります。
寝るときに使う物を同じエリアへまとめれば、設営時にも取り出しやすくなります。
特に連泊では、「就寝用品」「着替え」「食事用品」のように用途別に分けておくと、毎回すべての荷物を移動させる必要がなくなります。
対策⑦:車内の段差をマットだけで解消しない
シートの大きな段差を消すために、必要以上に厚いマットを選んでいるケースもあります。
段差が大きい場合は、マットだけですべて吸収しようとせず、荷室のレイアウトや段差部分の調整を先に行う方法もあります。
必要以上に厚いマットを使わなくて済めば、収納サイズを抑えられる可能性があります。寝床全体を厚くするより、気になる部分だけを調整したほうが効率的な場合もあります。
収納で後悔しない車中泊マットの選び方
これから新しく車中泊マットを選ぶなら、商品を広げたときのサイズだけを見るのでは不十分です。
実際には収納している時間のほうが長いこともあるため、「使っていないときのサイズ」を購入前の重要な判断材料にしましょう。
使用サイズより収納サイズを先に確認する
車中泊マットを見ると、幅や長さ、厚みへ目が向きがちです。しかし、車内収納で困りたくない場合は収納時の幅・直径・長さも重要です。
収納した状態を想定し、荷室のどこに置くかまで決めてから選ぶと失敗を減らせます。
特に2人分を用意する場合は、収納サイズを2個分にして考えることを忘れないようにしましょう。
厚さだけで寝心地を判断しない
「厚いほど快適そう」という理由だけで大型マットを選ぶと、収納面とのバランスが崩れることがあります。
車内の床が比較的平らなら、極端に厚いマットが必要とは限りません。
反対に段差が大きい車では、薄いマットだけでは凹凸を感じる場合があります。自分の車のシートアレンジを実際に作り、どこにどの程度の段差があるのか確認しておくことが大切です。
車中泊の頻度に合わせて選ぶ
年に数回だけ車中泊をする人と、頻繁に車中泊をする人では適したマットが変わります。
| 使い方 | 重視したいポイント | 選び方の考え方 |
|---|---|---|
| 年に数回 | 普段の保管性 | コンパクトに収納できるタイプを優先 |
| 月に数回 | 寝心地と撤収のバランス | インフレーターマットなどを検討 |
| 頻繁に使用 | 設営の手軽さ | 積みっぱなしにできるなら大型タイプも選択肢 |
毎回自宅から車まで運ぶなら収納性は重要ですが、車内へ常時置いておけるなら、多少大きくても寝心地を優先する選び方ができます。
軽自動車では特にマットの収納方法が重要
軽自動車やコンパクトカーでは、マットそのものが入ったとしても、ほかの車中泊用品との組み合わせで荷室がいっぱいになることがあります。
寝袋、枕、着替え、クーラーボックス、テーブルなどを積むと、マットだけに大きなスペースを使えません。
マットを積んだ状態で荷物配置を試す
車中泊当日に初めて荷物を積むのではなく、一度自宅で必要な物を全部車へ載せてみると収納上の問題を見つけやすくなります。
その際は、寝るときの配置だけでなく、走行するときの配置も確認します。
夜だけ荷物が収まっても、朝になってマットを片付けたあと収納できなければ使いにくいためです。
マットと寝袋を同時に大型化しない
寝心地を求めて厚手のマットを選び、さらに大型の寝具も用意すると、一気に積載スペースが減ってしまいます。
何を優先するのかを決め、マットを厚くするならほかの寝具をコンパクトにするなど、車中泊用品全体で調整しましょう。
1つの商品だけをコンパクトにするより、寝具一式の総量を減らすほうが収納改善につながりやすいです。
車中泊マットを買い替えたほうがいいケース
収納方法を工夫しても毎回荷室を圧迫するなら、現在の使い方とマットが合っていない可能性があります。
特に次のような状態なら、次回の買い替え時には収納性を優先して選ぶ価値があります。
- マットだけで荷室の大部分を使ってしまう
- 収納するたびに強い力で押し込まなければならない
- ほかの車中泊用品を減らさないと積めない
- 1泊のために大型マットを毎回運ぶのが負担になっている
- 今の厚さを実際には必要としていない
ただし、「かさばるから」という理由だけで薄いタイプへ変更すると、今度は寝心地に不満が出る可能性があります。
収納サイズ、設営時間、寝心地の3つを比較し、どこまでなら妥協できるかを決めることが重要です。
車中泊マットの収納でよくある質問
車中泊マットは車に積みっぱなしでもいい?
保管条件はマットの素材によって異なります。車内は季節によって高温になったり湿気がこもったりするため、長期間置いたままにする場合は素材の変形や劣化にも注意が必要です。
使用後に濡れたり湿ったりした場合は、そのまま収納せず十分に乾かしてから保管するほうが扱いやすいでしょう。
インフレーターマットが収納袋に入らないのはなぜ?
内部に空気が残っている可能性があります。最初から巻くのではなく、一度大まかに空気を抜いてから巻き直すと収納しやすくなることがあります。
それでも入らない場合は、巻き幅や折り方が本来の収納方法と合っているか確認してください。
車中泊なら厚さ10cmほどのマットが必要?
必ずしも厚いマットが必要とは限りません。必要な厚さは車内の段差や体格、好みの硬さなどによって変わります。
床面が十分に平らなら薄めでも快適に感じる場合があります。一方、大きな段差が残る車では厚みだけに頼らず、寝床そのものを平らにする工夫も有効です。
収納性を重視するならエアマットが一番いい?
コンパクトさを優先する場合には有力な選択肢ですが、空気を入れる手間や破損への注意も必要です。
撤収の速さを重視するなら折りたたみ式、寝心地とのバランスを取りたいならインフレーターマットなど、目的によって向いているタイプは変わります。
ダブルサイズとシングル2枚ではどちらが収納しやすい?
車内の形によって異なりますが、シングル2枚なら収納場所を分散できるメリットがあります。
一方、ダブル1枚は使用時に継ぎ目が少なく、設営枚数も減らせます。収納した状態の形まで比較して判断することが大切です。
車中泊マットがかさばるなら収納サイズと使い方を見直そう
車中泊マットは、種類によって収納時の大きさが大きく変わります。一般的にはエアマットは小さく収納しやすく、インフレーターマットは寝心地とのバランスを取りやすい一方、フォーム系や厚手タイプは体積が残りやすくなります。
今使っているマットがかさばる場合は、まず空気の抜き方、巻き方、積載場所、寝具全体のまとめ方を見直してみましょう。大きなマット1枚をシングル2枚へ分けるなど、収納したときの「形」を変えることでも積みやすさは変わります。
これから選ぶ場合は、使用時の厚さだけではなく収納サイズを確認し、実際に車内のどこへ置くのかまで決めておくことが重要です。寝心地と収納性の両方を考えて選べば、車中泊の準備や撤収もぐっと楽になります。

