車中泊でコンタクトレンズを使うとき、「洗面所が近くにない場合はどう洗浄すればいい?」「水道水やペットボトルの水で洗っても大丈夫?」と迷う方もいるでしょう。
結論からいうと、車中泊でもコンタクトレンズのケアはできますが、普段以上に清潔な手、レンズに合った専用ケア用品、水との接触を避けることが重要です。特にソフトコンタクトレンズを水道水やミネラルウォーターで洗うのは避けましょう。
この記事では、車中泊でコンタクトレンズを安全に洗浄・保存する基本手順、持っていきたい用品、やってはいけないケア方法まで分かりやすく解説します。
車中泊でコンタクトレンズを洗浄するときの結論
車中泊でコンタクトレンズを使用する場合も、基本的なケア方法は自宅と同じです。しかし、車内には手洗いやレンズケアに適した場所が確保できないこともあるため、事前の準備が重要になります。
まず押さえておきたいポイントは次の4つです。
- レンズに触る前に石けんと流水で手を洗い、十分に乾かす
- 再使用するソフトコンタクトレンズは指定された消毒液で洗浄・消毒する
- 水道水やペットボトルの水でソフトコンタクトレンズを洗浄・保存しない
- 就寝前にはコンタクトレンズを外し、眼鏡に切り替える
「洗浄できる場所がないからレンズをつけたまま寝る」という対応は避けることが大切です。車中泊をする日は、就寝前に安全にレンズを外せる場所まで含めて予定を立てておきましょう。
車中泊でコンタクトレンズを洗浄する基本手順
2週間交換タイプなどの再使用可能なソフトコンタクトレンズを使っている場合は、正しい手順で洗浄・消毒・保存する必要があります。
車中泊だからと特別な方法で洗うのではなく、普段使用しているレンズとケア用品の説明書に従うことが基本です。
手順1:石けんと流水で手を洗う
コンタクトレンズを外す前に、石けんを使って手を十分に洗います。洗った後は、清潔なタオルやペーパータオルなどで水分をしっかり拭き取りましょう。
指先に汚れや微生物が付着していると、レンズやケースを汚染する原因になります。サービスエリア、道の駅、キャンプ場など、清潔な手洗い環境を確保できる場所でレンズを扱うことをおすすめします。
手を洗える場所を確保できない可能性がある場合は、就寝場所へ移動する前にコンタクトレンズを外せるよう予定を組んでおくと安心です。
手順2:清潔な手でコンタクトレンズを外す
手が完全に乾いてからコンタクトレンズを外します。
車内で外す場合は、シートや床にレンズを落とさないよう、安定した場所にケースや鏡を準備してから行いましょう。
砂やほこりが舞っている場所では、レンズやケースに異物が付着しやすくなります。窓を開けたままの車内や屋外での着脱は、できるだけ避けたほうが無難です。
手順3:再使用するソフトレンズは専用液でケアする
マルチパーパスソリューション(MPS)を使用するタイプであれば、製品の使用方法に従ってレンズの両面をこすり洗いし、新しい液ですすぎます。
その後、レンズケースにも新しい消毒液を入れて保存します。
前回使用した消毒液を残したまま、新しい液をつぎ足して使用してはいけません。古い液は捨て、毎回新しい消毒液を使用します。
過酸化水素タイプなど別方式のケア用品を使っている場合は、専用ケースや中和時間など、それぞれの製品で指定された方法を守ってください。
手順4:レンズケースも清潔に管理する
コンタクトレンズだけでなく、保存ケースの衛生管理も重要です。
使用後のケースは、使用しているケア用品の指示に従って洗浄し、液を残したままにせず十分に乾燥させます。
ケースが汚染されていると、きれいに洗浄したレンズを再び汚染する原因になります。長期間同じケースを使い続けるのではなく、定期的に交換しましょう。
車中泊では水道水でコンタクトレンズを洗わない
車中泊で特に注意したいのが、「専用液を忘れたので水で代用する」という行動です。
ソフトコンタクトレンズは水道水で洗浄したり保存したりしないでください。水道水には、目の感染症につながる可能性のある微生物が存在することがあります。
水道水だけでなくペットボトルの水も代用品にはならない
「ミネラルウォーターならきれいだから大丈夫」と考える方もいるかもしれません。
しかし、飲用できる水であってもコンタクトレンズ用の無菌の消毒液ではありません。水道水だけでなく、ミネラルウォーターや蒸留水などを自己判断でソフトコンタクトレンズの洗浄・消毒・保存に使うことは避けましょう。
コンタクトレンズ専用の消毒液がない場合、水を代用品にするのではなく眼鏡へ切り替えるのが基本です。
アカントアメーバ角膜炎にも注意する
コンタクトレンズと水との接触で特に注意されているものの一つが、アカントアメーバによる角膜感染症です。
アカントアメーバは水環境などに存在する微生物で、角膜に感染すると重い角膜炎につながる場合があります。
そのため、ソフトコンタクトレンズを水で洗うだけでなく、レンズを装着したままシャワーを浴びたり、温泉やプールに入ったりすることも避けるのが基本です。
ソフトレンズとハードレンズでは洗浄方法が異なる
「コンタクトレンズは水を使ってはいけない」と一律に考えるのではなく、使用しているレンズの種類とケア用品を確認することも重要です。
| レンズの種類 | 車中泊での基本的な考え方 |
|---|---|
| 1日使い捨てソフトレンズ | 外したレンズは再使用せず廃棄する |
| 2週間・1か月交換などのソフトレンズ | 指定された消毒液を使って洗浄・消毒・保存する |
| ハードコンタクトレンズ | 製品やケア用品によって手順が異なるため、説明書と眼科医の指示に従う |
特にハードコンタクトレンズには、ケア用品によって水道水ですすぐ工程が指定されているものがあります。
そのため、自分の判断でソフトレンズと同じ方法に変更したり、逆にハードレンズのケア方法をソフトレンズへ流用したりせず、使用中のレンズとケア用品の説明書に書かれた方法を優先してください。
車中泊なら1日使い捨てコンタクトレンズも選択肢
普段2週間交換タイプなどを使用している方にとって、車中泊では毎晩の洗浄やケース管理が負担になることがあります。
眼科医に相談したうえで使用できるのであれば、旅行中だけ1日使い捨てタイプを使用する方法も選択肢です。
1日使い捨てなら洗浄と保存が不要
1日使い捨てタイプは、その日に使用したレンズを外したら廃棄します。そのため、2週間交換タイプなどのような洗浄・消毒・保存は必要ありません。
レンズケースを管理する必要もないため、車中泊では荷物やケアの手間を減らしやすくなります。
ただし、1日使い捨てレンズも清潔な手で着脱する必要があります。一度外したレンズを翌日もう一度装着することはできません。
自己判断でレンズの種類を変更しない
コンタクトレンズには度数だけでなく、ベースカーブや素材、装用感などさまざまな違いがあります。
普段2週間交換タイプを使用しているからといって、同じ度数の1日使い捨てタイプを自己判断で選べばよいとは限りません。
車中泊や旅行に合わせて別タイプを使用したい場合は、事前に眼科で相談しておきましょう。
車中泊へ持っていきたいコンタクトレンズ用品
車中泊では、現地で必要なケア用品が手に入らない場合も考えられます。
出発前に次のものをまとめて準備しておくと、レンズトラブルへの対応がしやすくなります。
- 普段使用しているコンタクトレンズ
- 予備のコンタクトレンズ
- 使用しているレンズに適したケア用品
- 清潔なレンズケース
- 予備の眼鏡
- 清潔なタオルやペーパータオル
- 鏡
- 使用済みレンズなどを入れるごみ袋
特に重要なのが予備の眼鏡です。目に違和感が出たりレンズを紛失したりしたときに、コンタクトレンズを無理に使い続けなくて済みます。
ケア用品については、小さな別容器へ自己判断で詰め替えるのではなく、旅行用として販売されている未開封の製品などを利用し、製品の保管方法にも従いましょう。
車中泊でやってはいけないコンタクトレンズのケア
車中泊では自宅より設備が限られるため、つい簡単な方法で済ませたくなることがあります。
しかし、次のような使い方は避けましょう。
水や唾液でレンズを洗う
ソフトコンタクトレンズを水道水、ペットボトルの水などで洗うのは避けてください。
唾液で湿らせるのも衛生的ではありません。専用のケア用品を忘れた場合は、代用品を作ろうとせず眼鏡へ切り替えましょう。
古い消毒液へ新しい液をつぎ足す
ケース内に残った消毒液へ新しい液を足して使うと、十分な消毒効果が得られなくなる可能性があります。
レンズを保存するときは、使用済みの液を捨て、毎回新しい液を使用してください。
生理食塩水だけで消毒したつもりになる
滅菌された生理食塩水は、製品によってすすぎなどに使用されることがありますが、それだけでレンズを消毒できるわけではありません。
洗浄・すすぎ・消毒・保存のどの目的で使う製品なのかを確認し、使用説明書どおりに使いましょう。
コンタクトレンズをつけたまま車内で寝る
車中泊では「少し仮眠するだけ」と、そのまま眠ってしまうことがあります。
しかし、眼科医から連続装用を認められていないレンズは、装着したまま眠らないことが基本です。
就寝前にレンズを外し、眼鏡へ切り替える習慣を決めておくと、長距離移動後のうっかり装用を防ぎやすくなります。
レンズをつけたままシャワーや入浴をする
車中泊では温泉やコインシャワーを利用する機会も多いですが、コンタクトレンズを装着したまま水に触れる行為は避けましょう。
入浴やシャワーの前にレンズを外し、必要であれば眼鏡を使用してください。
手を洗えない場所ではコンタクトレンズをどうする?
車中泊中に困りやすいのが、コンタクトレンズを外したい時間に手洗い設備が見つからないケースです。
コンタクトレンズの着脱では、石けんと流水で手を洗い、十分に乾燥させることが基本です。
そのため、最初から「寝る場所で外せばいい」と考えるのではなく、清潔な手洗い場所を利用できる時間帯にレンズを外すよう計画しておくとよいでしょう。
たとえば、夕食や入浴を終えた後、設備の整った場所でレンズを外して眼鏡へ切り替えてから車中泊場所へ移動する方法があります。
手洗い環境を確保できない状態で無理に着脱したり、洗浄できないからと装着したまま眠ったりする状況を作らないことが大切です。
目に違和感が出たらコンタクトレンズを外す
車中泊中に目の痛み、強い異物感、充血、かすみなどの異常を感じた場合は、コンタクトレンズを無理に使い続けないでください。
いったんレンズを外して眼鏡に切り替え、症状が続く場合や強い症状がある場合は眼科を受診しましょう。
旅行中だからと装用を続けるのではなく、目の状態を優先することが重要です。そのためにも、車中泊には度数の合った予備の眼鏡を持参しておくと安心です。
車中泊のコンタクトレンズ洗浄でよくある質問
車中泊でコンタクトレンズを水道水で洗ってもいいですか?
ソフトコンタクトレンズを水道水で洗浄・保存するのは避けてください。水道水はコンタクトレンズ用の無菌の消毒液ではなく、微生物による感染リスクがあります。指定されたケア用品を使用してください。
ミネラルウォーターならコンタクトレンズを洗えますか?
飲用のミネラルウォーターも、コンタクトレンズ用の消毒液の代用品にはなりません。ソフトレンズの洗浄・消毒・保存には、使用しているレンズに対応したケア用品を使用しましょう。
車中泊では1日使い捨てレンズのほうが便利ですか?
1日使い捨てタイプは洗浄や保存が不要なので、車中泊ではケアの手間を減らしやすいメリットがあります。ただし、自分に合ったレンズを眼科で確認したうえで使用し、一度外したレンズは再使用しないでください。
コンタクトの洗浄液を忘れたらどうすればいいですか?
水などで代用するのは避けましょう。適切なケア用品を用意できない場合は無理に再使用せず、眼鏡へ切り替えることを検討してください。
車中泊でコンタクトレンズをつけたまま寝てもいいですか?
眼科医から連続装用を認められていないコンタクトレンズは、装着したまま眠らないでください。仮眠の場合も、できるだけ就寝前に外して眼鏡へ切り替えましょう。
レンズケースは水道水で洗ってもいいですか?
ソフトコンタクトレンズ用ケースのケアについては、使用している消毒液やケースの説明書に従ってください。一般的には、使用しているケア用品で洗浄して十分に乾燥させる方法が推奨されています。
車中泊のコンタクトレンズ洗浄は事前準備が重要
車中泊でコンタクトレンズを使用する場合は、清潔な手で扱うこと、適切な専用液を使用すること、ソフトレンズを水で洗浄・保存しないことが基本です。
特に、専用液を忘れたときに水で代用したり、手を洗えないからとレンズをつけたまま眠ったりするのは避けましょう。清潔な手洗い環境を確保できる場所で早めにレンズを外し、眼鏡へ切り替えておくと安心です。
再使用可能なレンズを使う場合は、使用中のレンズとケア用品の説明書に従って正しく洗浄・消毒・保存してください。車中泊の予定が多い方は、眼科で相談したうえで1日使い捨てタイプを選択肢に入れるのも一つの方法です。

